起業家支援プログラム(エントリーコース)

GTIE GAPファンド2024 エントリーコース 採択チーム一覧

エントリーコースは、起業を目指すGTIEに参画する大学に所属する研究者等を支援する初めのステップとなるGAPファンドです。 ご変更依頼: エントリーコースは、起業を目指すGTIEに参画する大学に所属する研究者等に向けてGTIEが提供するGAPファンドのうち、初めのステップとなるコースです。

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  • 創薬
  • その他
    ライフサイエンス
  • ライフサイエンス
    以外
  • シーズなし
磯部 敏宏
代表者 /
磯部 敏宏
Toshihiro Isobe
東京科学大学物質理工学院
ロストテクノロジーと先端技術の融合による超絶技巧セラミックスの創製

近年の陶芸技術では再現が難しい精巧で複雑な形状の「セラミックスのボタン」や「ポーセリンジュエリー」(陶磁器の宝石)が発見された。窯元へ現地調査を行った結果、戦中や戦後に佐賀県の有田で活躍した芸術家たちが制作したものと分かった。これらは戦争という歴史に埋もれ、戦後の貧しい時代に芸術的な価値を評価されることなく表舞台から消えてしまった超絶技巧(ロストテクノロジー)のミクロアートである。80年前は静かなブームで終わったものの、当時と比較しデザインや芸術の価値が一般に広く浸透した現代であれば、ポーセリンジュエリーが価値あるものとして認められるのではないか?と考え、ポーセリンジュエリーの復興プロジェクトを立ち上げた。本プロジェクトでは、当時の技術を科学的に分析し、その結果と現在の科学技術と融合することで、芸術的価値の高い超絶技巧のセラミックスを創製することを目的とする。

上野 隆史
代表者 /
上野 隆史
Takafumi Ueno
東京科学大学 生命理工学院
タンパク質結晶マテリアル(Protein Crystal Materials:PCMs)の社会実装

自然界の多様な微生物が作り出す酵素の多様性は無限であり、現在産業利用されていない有用酵素が多く潜在していると考えられる。しかし、有用な反応を有していたとしても、従来の製造技術では、製造コストや酵素自体の安定性の観点から未利用となっている酵素も多く存在すると思われる。本事業では、酵素と細胞内タンパク質結晶化を組み合わせた画期的技術(PCM:Protein Crystal Material)を用いて、従来の酵素製造プロセスのコペルニクス的転換を行い、酵素産業におけるイノベーションを実現する。

齊藤 滋規
代表者 /
齊藤 滋規
Shigeki Saito
東京科学大学環境・社会理工学院
パワー半導体製造のための大面積超薄半導体ウエハ用静電吸着ハンドリングシステム

本プロジェクトは、「パワー半導体製造のための大面積超薄半導体ウエハ用静電吸着ハンドリングシステム」の研究開発および特許使用権の販売、製造販売を目的としています。自動運転システムやスマート電力システムにおけるパワー半導体(パワーIC)製造装置メーカーが主な潜在顧客です。パワー半導体の製造では、大面積化と薄膜化が進んでおり、これに対応する革新的なハンドリング装置が求められています。本技術は、ウエハの表面に柔軟性を持つ静電吸着装置を用いて、ウエハを損傷させることなく自在な吸着・離脱および位置調整を可能にします。ビジネス戦略としては、まずライセンス提供で収益を確保し、資金調達後にハンドリングモジュールの製造・販売を目指します。

本田 雄士
代表者 /
本田 雄士
Yuto Honda
東京科学大学 科学技術創成研究院化学生命科学研究所
新規薬物送達法(ドラッグデリバリーシステム)を用いたバイオ医薬品の開発

ポリフェノール高分子と金属イオンを基盤としたナノテクノロジーを用いた薬物送達(ドラッグデリバリーシステム、DDS)技術によって、生体分子などの治療分子の活性の向上と副作用の低減の両方を達成し、新規バイオ医薬品の創造を行うスタートアップの設立を進める。本DDS技術は様々な治療分子を水中で混ぜるだけで搭載できる上に、あらゆる組織を標的化できるポテンシャルを持っており、既存のDDS技術では効率的送達できなかった組織への分子送達を可能とするプラットフォーム技術となりうる可能性を持っている。本DDS技術の既存技術と差別化を進めると同時に、搭載する治療分子に関しての検討も実施する予定である。現存の治療薬で十分な医学的ニーズを満たせていない疾病を有する患者とバイオ医薬品の開発を行う製薬会社への技術のライセンスアウトを行いつつ、自社でも新規バイオ医薬品の開発を行うビジネスプランを計画している。

小川 幸春
代表者 /
小川 幸春
Yukiharu Ogawa
千葉大学 大学院園芸学研究院
生活習慣病ゼロ次予防に資する糖質消化性調節米の社会実装に関する研究

本研究は,研究代表者らが出願した技術(特願2021-170635号,千葉大学)の社会実装を目的とする.具体的には,収穫直後の生モミに対して65℃から70℃程度の加熱処理を施す.これにより胚乳を構成するデンプン貯蔵細胞の細胞壁成分の一部を分子レベルで硬化させ,消化酵素など高分子物質の透過性を低下させる.以上の処理により,コメの美味しさは変化しないが糖質消化性のみが抑制可能となる.生モミを加熱処理する方法には様々な機構が考案できるとともに,既存の乾燥調製施設に後付けで設置可能である.そこで,加熱処理のための装置開発および処理によって得られる糖質消化性調節米の製造をビジネスシーズとするスタートアップ設立の可能性を検討する.

寺 正行
代表者 /
寺 正行
Masayuki Tera
東京農工大学大学院工学研究院
遺伝子を標的とした低分子医薬品を創出する基盤技術の事業化検証

創薬技術が発展する一方、医療費の高騰や、患者の通院負荷の増大は大きな社会課題である。代表者は、病気の原因遺伝子上にある特殊構造(G4構造)の位置をAIで予測し、G4構造に結合する低分子医薬品を探す系とノウハウを確立した。低分子医薬品は(注射剤でなく)錠剤にできるため在宅医療を可能にすることに加え、(注射剤と比較し)安価で製造できるため医療格差の是正が期待できる。本事業では当該AI技術を用いて、創薬標的となるG4を同定し、これを標的とする低分子の探索と選抜を支援する基盤研究を開発する。

岡田 興造
代表者 /
岡田 興造
Kozo Okada
横浜市立大学 付属市民総合医療センター心臓血管センター内科
表情と音声の機械学習モデルを使った心不全予測を行う新規バイオマーカーの研究開発

心不全は一度発症すると完治することはなく、寛解と増悪を繰り返しながら進行する難治性の慢性疾患であり、患者の予後やQOLを大きく低下させる。その一方で、心不全増悪を早期に発見し、適切に治療介入することができれば、重症化を予防し健康寿命を延伸できる。本研究開発では、表情や音声の変化から心不全の状態を予測する新規バイオマーカーを開発することで、世界共通の最重要課題の一つである心不全増悪の早期発見への解決策を提案する。そして、心不全が原因となっている交通事故など様々な医療・社会課題の解決を目指す。

荒井 翔悟
代表者 /
荒井 翔悟
Shogo Arai
東京理科大学 機械航空宇宙工学科
ウェルビーイングを向上させる世界初の物品取出し/収納用サービスロボットの研究開発

本事業は、QOL向上、労働力不足の解消など社会が直面する様々なウェルビーイングのための課題解決に貢献する世界初の物品取出し/収納ロボットサービスを提供する。同ロボットは、ユーザが指定したエリアに存在する物品を収納する機能と、ユーザが指定した物品を取出してユーザへ届ける機能等を有する。

有田 浩暢
代表者 /
有田 浩暢
Hironobu Arita
東京理科大学大学院薬学研究科
オピオイド急性中毒による死亡者を防ぐ新薬の開発

私たちは、米国を中心に社会問題となっている麻薬性鎮痛薬のオピオイドの過剰摂取による中毒死(呼吸抑制による)を食い止めるため、創薬スタートアップを設立します。
医療用麻薬として広く使用されるオピオイド系鎮痛薬は、過剰摂取による中毒死者数の急増により、オピオイドクライシスという大きな社会問題を引き起こしています。既存の中毒解毒薬ナロキソンには複数の課題があり、新たな解毒薬の開発が強く望まれています。
我々は、研究の成果からナロキソンとは構造が全く異なり、約130倍の強さを持つ新薬候補物質を発見しました。本候補物質を社会実装するため、創薬事業を展開し、オピオイド急性中毒による呼吸停止時の特効薬の上市をします。

草森 浩輔
代表者 /
草森 浩輔
Kosuke Kusamori
東京理科大学薬学部
ミトコンドリア導入技術を基盤とする高機能型細胞医薬の開発

本課題では、細胞内への効率的なミトコンドリア導入技術を応用し、ミトコンドリアを基盤とする新たな細胞医薬を創製するスタートアップを目指す。エントリコースにおいては、有効な治療法がない肝硬変を対象に、ミトコンドリア導入技術を用いてミトコンドリアを豊富に含む間葉系間質細胞(間葉系幹細胞;MSCs)を作製し、モデルマウスにおける治療効果を評価する。並行して、ミトコンドリアを豊富に含むMSCシートの開発も目指す。これらを実施することで、細胞内へのミトコンドリア導入技術が細胞医薬の有効性を向上できることを実証し、研究成果をもとに新たな細胞医薬の開発を目指す。

四反田 功
代表者 /
四反田 功
Isao Shitanda
東京理科大学創域理工学部先端化学科
野外労働者の安心安全を守る健康管理システム搭載のスマートヘルメットの開発と販売事業

汗や尿をはじめとした体液の分析が可能なウェアラブルセンサ製品の開発販売を行う。体液中のイオンや乳酸を連続かつ長期モニタリング可能な脱水・熱中症センサを主軸とする。様々な市場に対して展開することが可能であるが、特に顧客のニーズが強い野外労働者の安心安全を守る健康管理システム搭載のスマートヘルメットの開発と販売事業を行う。

野原 徹雄
代表者 /
野原 徹雄
Tetsuo Nohara
東海大学総合科学技術研究所
車上での微粒化技術によるCO2吸収・回収システム

2030年からのCO2規制可決や, 新たな炭素税の導入も同時期には開始されると予測されている.そのため, 商用バン/トラック/船舶を製造するメーカーへのCO2排出時の罰金や,ユーザーである運送会社やレンタル会社等へのトラック1台当たりの税負担まで検討されている.
そこで我々は小~中型トラックや小~中型船舶にカーボンニュートラル(CN) 燃料を併用しつつ,これまでの研究成果である“表面微細加工による噴霧液滴の微粒化制御 “技術により,レトロフィット(後付け装置)による車上でのCO2吸収・回収システムの提供や,回収したCO2を材料・化学・燃料メーカー等への販売,そしてカーボンクレジット取引も考慮した“排出CO2収入“ビジネスを提案する.

林 丈晴
代表者 /
林 丈晴
Takeharu Hayashi
東海大学医学部医学科基礎医学系生体機能学
心筋症の新規治療薬の提供へ向けて

心筋症は、突然死リスクの高い難治性心不全であり、我が国の指定難病です。肥大型心筋症の家系解析から同定した新規の心筋症の原因遺伝子をコードするタンパクが、心肥大を改善することを、我々は見出しました。このプロジェクトでは、重症化するリスクが高く、有効な治療法のない、心筋症をはじめとした難治性心不全の方々に、このタンパクを用いた新規の治療薬をできるだけ早く提供することを目的とします。

岩崎 信太郎
代表者 /
岩崎 信太郎
Shintaro Iwasaki
理化学研究所 開拓研究本部
ミトコンドリア内翻訳を指標としたミトコンドリア病治療薬スクリーニング系の構築

ミトコンドリアは細胞内の主要なエネルギー供給源であり、酸化的リン酸化反応を介してATPを産生し、細胞の恒常性を維持している。ミトコンドリアは独自のミトコンドリアタンパク質をコードするために独自のゲノムDNA、独自の翻訳系がある。ミトコンドリア内翻訳活性はATP産生能を司るため、その異常はMELAS、MERRF、リー症候群などの疾患を引き起こすことが知られている。これらの病態はミトコンドリア機能異常に基づくことからミトコンドリア病と総称され、我が国では難病指定されている多臓器疾患である。我々が目指すのは、「ミトコンドリア内翻訳を調整することで、ミトコンドリアを賦活化する」という、ミトコンドリア病治療の新たな基盤を構築することにある。特に、独自に開発した手法を組み合わせ、ミトコンドリア内翻訳を指標とした創薬プラットフォームを構築し、ミトコンドリア関連疾患の翻訳異常を回復させる治療薬の創出を目指す。これまで漠然としていたミトコンドリア治療に対し明確な指針を示し、治療が困難とされてきたミトコンドリア関連疾患に新たな治療機会を提供したい。

奥野 泰希
代表者 /
奥野 泰希
Yasuki Okuno
理化学研究所光量子工学研究センター 中性子ビーム技術開発チーム
ホウ素中性子捕獲がん療法(BNCT)における3次元中性子分布評価システムの実用化

ホウ素中性子がん捕獲療法(BNCT)は、低侵襲治療として、開腹などの手術を伴うよりも人体への負担が少なく治療ができるがんの放射線療法の一つである。放射線を発生させる加速器は大きな構造体であるがゆえに、温度、振動など外的要因で特性が変化してしまうため、中性子発生量が安定しないという課題がある。BNCTでは、患部に照射する中性子量が目標照射量に対して5%以上の差が生じた場合、がん細胞除去の不足や正常細胞のがん化を引き起こす。そのため、照射前に中性子分布を取得し、照射精度の補正を行う必要がある。本研究開発では3次元中性子分布のリアルタイム計測を実現するために、有機・無機ハイブリッドペロブスカイト半導体(HOIP)を用いた中性子検出センサーをベースに、3次元的にセンサーを配置した固体ファントムを構築することを目標とする。現場の課題としては、中性子計測は水槽ファントム中に金箔を設置して計測を行っているが、その計測には1点でも数時間を要することから、測定精度や治療計画の律速要因となっている。そのため、本センサーシステムの開発が実現した暁には、3次元的な中性子量の情報を短時間を可能となり、1機関あたりの治療件数およびその精度を向上させることが期待できる。

審査委員

  • 江口 弘一
     (芝浦工業大学SIT総合研究所・特任教授)
  • 片桐 大輔
     (千葉大学大学院国際学術研究院/学術研究・イノベーション推進機構スタートアップ・ラボ・教授)
  • 金子 直哉
     (神奈川県立保健福祉大学・科学技術アドバイザー)
  • 喜久里 要
     (早稲田大学リサーチイノベーションセンター・調査役(起業支援担当))
  • 後藤 優
     (横浜市立大学・スタートアップ支援プロデューサー(特任教員)、共創イノベーションセンタースタートアップ推進部門・副部門長)
  • 小林 宏
     (東京理科大学工学部機械工学科・教授)
  • 酒井 宗寿
     (茨城大学研究・産学官連携機構・准教授)
  • 島岡 未来子
     (早稲田大学アントレプレナーシップセンター・副所長、研究戦略センター・教授)
  • 辻本 将晴
     (東京工業大学研究・産学連携本部・イノベーションデザイン機構・機構長、環境・社会理工学院・教授)
  • 中川 正樹
     (東京農工大学先端産学連携研究推進センター・統括リサーチ・アドミニストレータ、特任教授)
  • 西野 由高
     (筑波大学国際産学連携本部/本部審議役・教授)
  • 野嶋 卓也
     (慶應義塾大学イノベーション推進本部・特任准教授)
  • 平田 光子
     (東海大学学長室・次長、経営学部・教授)
  • 松浦 昌宏
     (東京医科歯科大学統合イノベーション機構オープンイノベーションセンター・特任教授)
  • 他1名
     (※ 審査委員リストは五十音順にて掲載。所属は審査当時のものです。)