起業家支援プログラム(エクスプロールコース)

近藤 正聡
研究代表者
東京科学大学

近藤 正聡

Kondo Masatoshi
採択テーマ

世界中の人類が直面する最高難度の廃棄物を無害化する革新的液体金属技術

課題名
世界中の人類が直面する最高難度の廃棄物を無害化する革新的液体金属技術
プロジェクトの概要
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世界で稼働中の約400基の原子力発電所では、半減期が最長200万年と長いマイナーアクチノイド(MA)と呼ばれる高レベル放射性廃棄物が燃料に対して約0.1 wt%の割合で発生し、最終処分する上での負担となります。本事業では、このMAを非放射性あるいは短寿命核種へと変換することが可能な加速器駆動型核変換システム(以下、ADS)の開発を目指します。ADSの心臓部にあたる核破砕ターゲットには液体重金属を用いますが、東京科学大学は20年以上にわたりこの液体重金属技術の研究開発を行ってきました。原子力市場が大きく成長している米国を中心に世界中の幅広い事業者を対象として、高レベル放射性廃棄物の処理技術を提案するディープテック・スタートアップ企業の設立を目指します。

ビジネスモデル(申請時)

創業後は、ベンチャーキャピタルやCVC、事業会社、政府系金融機関からの出資を受けて、コンパクトなADSの設計開発を行います。10年以内にモックアッププラントにて原理検証を行い、ADSの詳細設計のステージに移行するのに十分な技術成熟度を確保します。最終的に大手企業によるM&A等も視野に入れながら世界初のADS実現を目指します。

活動計画(申請時)

本プログラムでは、未臨界炉心でマイナーアクチノイドを核変換しながら、プラントとして十分なエネルギー効率を実現するコンパクトな加速器駆動型核変換システム(ADS)の設計を、数値シミュレーション研究を中心として行います。同時に、東京科学大学の液体金属流体に関する技術的蓄積を最大限活用しながら、ADSの信頼性を大きく向上させるための革新的構造材料や熱流動制御機器の開発も行います。また、こうした液体金属技術を応用した環境浄化システムも開発します。こうした革新的液体金属技術を中心として、コンパクトなADS開発を行うディープテック・スタートアップ企業を創立します。その上で、国内外の研究機関との強力な連携体制を築きながら、10年以内のモックアッププラントの建設を目指します。

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