世界初の2.5D-COF(COF = Covalent Organic Framework、共有結合性有機骨格)技術を核に、顧客予定企業と連携して国際展開を図るスタートアップを設立し、新材料であるCOFのフロンティアを切り拓く。本材料シーズを活用してCCS・CCUの本格実施に資する新世代の固体CO₂分離材の概念実証を行うと共に、当材料の新用途開拓を進めてゆく。具体的に、本GTIE期間に獲得する研究開発及び知財等の成果を基に、潜在顧客となる企業と連携しながら国際展開を図る日本初のCOFスタートアップの設立を目指す。社会的緊急性の高いCO₂排出削減に貢献するCO₂吸着材の開発・販売・ライセンス事業を軸に、顧客のニーズや社会の必要性に応じた分離技術等への新規用途開拓及び商材としての領域拡大を行い、海外での活動を視野に入れたグローバルスタートアップへの展開を目指す。
1. 材料供給型モデル:製造プラントや装置メーカーへCOFを販売する。パイロットプラントを用いた製造、販売を想定。
2. 技術ライセンス型モデル:知財を確保したCOF技術を国内外の製造企業へライセンス提供。ライセンス契約料、ロイヤリティ収入を得る。
3. 共同開発モデル:ノウハウ、データ、研究開発能力を活かし、大手企業の研究開発・事業開発を支援。専用素材、プロセスを設計・提供する。開発契約料、製品売上のレベニューシェアを検討。
研究開発に関する活動としては、(1) 排ガスに含まれる微量不純物に対する耐久性の向上および長期使用耐久性の実証、(2) 材料のスケールアップ生成法の開発と確立、(3) 2.5D-COFの新規用途の開拓、(4) シーズの成果を起点とした圧倒的に低コスト・高性能な新規2.5D-COFの開発、を行う。事業開発に関する活動としては、(1) CO₂分離回収分野における顧客候補やパートナーとの協業を通じたフィージビリティスタディの実施、(2) COFの新規用途を対象とした市場調査の実施を通じた潜在的な顧客候補やパートナーの特定及び確保、(3) 用途ごとの先行技術や関連特許の調査に基づく、特許戦略の策定及び競争優位性を高める特許ポートフォリオの構築、を行う。期間を通じて経営者候補の探索と海外市場の調査を行う。