起業家支援プログラム(エクスプロールコース)

浅野 竜太郎
研究代表者
東京農工大学

浅野 竜太郎

Asano Ryutaro
採択テーマ

次世代型プロドラッグ抗体によるがん治療薬の創出

課題名
次世代型プロドラッグ抗体によるがん治療薬の創出
プロジェクトの概要
プロジェクトの概要の画像

近年、がん治療薬において抗体を活用した新規モダリティであるADC, CAR-T, CD3二重特異性抗体の開発が活発化しており、上市する医薬品数も増えているが適応症が限られている。その理由の1つとして、固形がんでは、標的とする抗原のがん特異性が低く、正常組織にも発現していることに由来する毒性が課題となっている。この事に起因するオフターゲット効果の軽減に向けては、正常組織では薬効を発揮しない「オフ」の状態で、標的部位に送達された際に薬効が初めて「オン」になる抗体の“プロドラッグ化”が近年の開発トレンドとなっている。本申請では、次世代型プロドラッグ抗体プラットフォームを構築し、高い有効性と安全性を両立可能ながん治療薬の創出を行うスタートアップの起業を目指す。

ビジネスモデル(申請時)

本技術はがん抗原を変えることで各種のがんに対する治療薬を作製可能な汎用的な技術であることから、本課題で設立を目指すスタートアップでは、固形がんを中心とした複数のがん種に対するパイプラインの創出とプラットフォームを活用した提携を目標とする。
提携に基づく契約一時金、共同開発費用、マイルストン収入などの継続的な収益化のポテンシャルを有し持続的な成長が期待できる性質上、IPOを目指すことが可能と考えられる。また、パイプライン、プラットフォームともに高い新規性および競合優位性が見込まれることからM&AによるExitも期待できる。

活動計画(申請時)

以下の研究開発計画および事業開発計画を進めていく。
・ 1st パイプライン、プラットフォームについて薬理活性、安全性、物性面からの最適化を進める。In vitro評価系および動物モデルによって、取得した抗体の評価を行い、高い有効性と安全性といった先行技術に対する競争優位性の実証を目指す。
・ 取得した結果をもとに1st パイプラインの開発を行う市場とTarget product profileの精緻化を行う。また、本申請のプラットフォーム、パイプラインがポートフォリオのニーズに合致し、また開発・商業化の能力が高く本研究成果の価値を最大化できるような、パートナリングを行う製薬企業候補を特定する。それらの情報をもとに事業計画・資本計画の策定を進める。
 本研究開発領域における高い専門性と熱意を有する経営人材候補を特定し、スタートアップ設立に向けた事業計画の議論への参画を行う。

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