本事業は、筋肉量や筋力の低下によるフレイルや死亡リスクの増大の原因となっているサルコペニアに対する治療薬の開発を目指します。特に肥満薬としても着目され、2030年には約23兆円の市場が見込まれるGLP-1受容体作動薬によって誘導されるサルコペニアを標的とした小分子化合物の開発を行います。競合他社は、筋肥大を狙ったアクチビン受容体を標的とする抗体医薬の開発が先行していますが、過去の治験が失敗しているように筋力の改善は得られない可能性があります。本事業開発医薬品は非臨床研究のデータから薬効、コスト、服薬アドヒアランスで優位性を持っており、特に筋肉の質、筋力の向上が見られます。将来的に、加齢性サルコペニア、がん悪液質、希少疾患など幅広い筋疾患治療による患者のQOL向上に寄与する医薬品の開発が期待されます。
本事業は大手製薬企業へのM&Aを目指します。特に、GLP-1受容体作動薬の開発および販売を行っているグローバル企業に対して、本事業にて開発する小分子化合物の非臨床および臨床に有効性、安全性のデータを提示していきます。現在も多くの製薬企業が、より長期間かつ効果の高い経口剤としてのGLP-1受容体作動薬を開発しており、競合他社と分子機序が異なる方法で、GLP-1受容体作動薬の課題を解決することで価値を提供します。
本事業において事業開発の面においては、市場環境、技術開発、組織体制、知財といった課題を明確にし、投資家から見た企業価値、さらに製薬企業との連携の可能性を高める事業計画を策定します。特に活動期間中に、海外の企業や投資家との議論を進めていくため、企業との交渉、臨床開発の経験のあるメンバーを募集し、チーム形成を進める予定です。
また、研究開発の計画としては、現在GLP-1受容体作動薬の体重減少の効果の促進効果と、GLP-1受容体作動薬によるサルコペニア誘導の抑制効果をもつ、小分子化合物の2つのパイプラインの開発を進める。現在、新規化合物開発に向けた類自体の開発ステージへ進んでおり、期間中に活性相関のデータ取得後に物質特許を出願する。特許戦略と開発戦略、またグローバルにおける交渉を迎えた段階で起業へと進む予定です。