不妊治療において、 タイミング法や人工授精が成功しない場合に行われる顕微授精は操作に熟練が求められ、担当する胚培養士の不足や、成功率のばらつきという課題が存在する。我々は、顕微授精を含む生殖補助医療の各工程の自動化を通じて、胚培養士の不足と、治療成功確率の向上を図り、患者・医療機関・胚培養士の課題解決を目指す。
AIと専用の器材による良好な精子自動選別技術と、マイクロマニピュレータによる顕微授精作業の自動化システム、および、これらが臨床現場で効果を発揮できるようなシームレスな周辺技術が特徴である。システムの初期導入費用に加え、専用消耗器材の都度課金モデルを考えている。
①胚培養士による顕微授精作業の全操作データ取得
汎用的なAIや自動化アルゴリズムを開発する必要があるため、共同研究を実施するクリニックや病院に所属している現役の胚培養士が顕微授精を行う際の操作データを、各種センサを取付けて収集する。
②顕微授精自動化システムの現地検証(PoC)実施
顕微授精を自動化するためのハードウェアおよびソフトウェアを一式、プロトタイプとして開発し、動物実験を経たのちに現場の培養士にユーザビリティ試験を実施。ここで出た課題や問題を解決するためのソリューションを検討し、量産化に向け、設計へフィードバックを行う。