起業家支援プログラム(エクスプロールコース)

柚崎 通介
研究代表者
慶應義塾大学

柚崎 通介

Yuzaki Michisuke
採択テーマ

人工ドーパミンシナプスコネクターの事業化:神経回路を修復・再生するパーキンソン病治療薬の開発

課題名
人工ドーパミンシナプスコネクターの事業化:神経回路を修復・再生するパーキンソン病治療薬の開発
プロジェクトの概要
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パーキンソン病は日米欧5カ国では2023年時点で264万人が罹患し、人口の高齢化とともに増加を続けている。現在のパーキンソン病治療は、レボドパを中心とした対症療法であり、神経変性の進行を抑制できる根本治療法は存在しない。対症療法薬は初期にはよく効くものの、病態進行とともに効きが悪くなり、ドーパミン量が日内変動や環境の変化に応じて適切に調節されないため、ドーパミンの不足や過剰による副作用(運動合併症)が生じてQOLが著しく低下する。本プロジェクトでは、内因性のドーパミン神経細胞と線条体シナプスを修復させる人工ドーパミンシナプスコネクターを開発することによって、自然なドーパミン分泌を回復させる画期的な治療効果を発揮することを目指す。また、シナプスを修復することによって、神経変性の進行を抑制できる根本治療法として発展させる。

ビジネスモデル(申請時)

独自のプラットフォームから新薬プログラムを創出する、パイプライン型の創薬スタートアップを想定する。究極的な顧客は患者であるが、事業における直接的な収益源は製薬企業とするB2B ビジネスとなる。高い企業価値を実現するために、プロジェクト価値が大きく上昇する第2相臨床試験の推進まで自社で担った後、グローバル製薬企業に導出することを基本シナリオとする。同時に製薬会社との共同研究や早期段階での導出も平行して検討する。

活動計画(申請時)

既に同定済みの内在性分子によるドーパミンシナプス構築機構に関する知見に基づいて人工ドーパミンシナプスコネクターを開発し、最適化を行う。また、パーキンソン病動物モデルマウスでの評価を行い、非臨床(動物)POCを得る。さらに、事業計画の前提となる目標製品プロファイルを、Key Opinion Leaderや製薬会社との意見交換やアドバイザーの参画等を経てブラッシュアップし、対象患者セグメントや臨床エンドポイント等を具体化する。ビジネスモデルを精緻化するとともに起業後の経営チームやアドバイザーとなりうる人材のリストアップを行い、治験開始までのロードマップを具体化して事業計画のドラフトを策定する。

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