起業家支援プログラム(海外市場開拓実践コース)

徐偉倫
研究代表者
東京大学

徐偉倫

Wei-Lun Hsu
採択テーマ

ナノポア技術を用いたタンパク質シーケンサーの事業展開

課題名
ナノポア技術を用いたタンパク質シーケンサーの事業展開
プロジェクトの概要
プロジェクトの概要の画像

「ナノポア技術を用いたタンパク質シーケンサーの事業展開」
精密医療の実現には、患者一人ひとりの症状とゲノム情報、さらにはプロテオーム情報の両方に基づいた個別化治療の提供が不可欠である。従来のシーケンシング手法や質量分析法では、蛍光強度の検出、ポリメラーゼ連鎖反応、ゲル電気泳動といった煩雑な前処理を伴い、データ解析にも高度な専門知識と長時間を要するという課題がある。本技術では、ナノポアを用いた抵抗パルスセンシング技術を活用し、分子がポア内を通過する際に生じるイオン電流の変動をリアルタイムで検出することで、迅速かつ簡便な生体分子シーケンシングを可能にする。本事業では、固体ナノポア技術をベースに、小型で高精度なタンパク質シーケンサーの開発を目指す。従来の質量分析に依存したタンパク質シーケンシングと比較して、解析コストと時間を大幅に削減し、タンパク質配列情報に基づいた個別化診断の実現を可能にする。タンパク質はDNAの4種の塩基に対して、20種類のアミノ酸から構成されており、より複雑な配列情報を持つため、極めて高い分解能を有するセンシング技術が求められます。本事業では、1nmレベルの高精度なナノポア構造を実現し、アミノ酸配列の直接読み取りを可能にすることで、革新的なタンパク質シーケンシング技術の事業化を目指す。

ビジネスモデル(申請時)

本事業では、生物学者および医学研究者を対象に、タンパク質シーケンシングに特化したカスタマイズサービスの提供を目指す。大規模なシーケンシングデータを必要とする研究者に対しては、研究目的に応じたコンサルティングを行いながら、固体ナノポア技術を用いた高精度シーケンシングデバイスを販売する。

活動計画(申請時)

本研究開発における主な活動計画は以下のとおりです。
(i) 分子検出をはじめとする多様な用途において、ナノポアアレイ試料を必要とする顧客層の発掘および市場開拓を行う。
(ii) ナノポアチップの量産体制を確立するため、半導体製造企業との戦略的パートナーシップを構築する。
(iii) 臨床応用に向けた実証を進めるため、バイオテクノロジー企業との連携体制を整備し、臨床試験の準備を進める。

ダウンロード(PDF)