起業家支援プログラム(エクスプロールコース)

岩崎 信太郎
研究代表者
理化学研究所

岩崎 信太郎

Iwasaki Shintaro
採択テーマ

ミトコンドリア内翻訳賦活化創薬

課題名
ミトコンドリア内翻訳賦活化創薬
事業化推進機関

ANRI株式会社

プロジェクトの概要
プロジェクトの概要の画像

本課題では、ミトコンドリア内翻訳活性を高感度かつ定量的に評価可能な独自技術群(Mito-FUNCAT、HT-Thor-Ribo-Seq、MitoIP-Thor-Ribo-Seq等)を統合した創薬プラットフォームを先鋭化し、ミトコンドリア内翻訳を賦活化する低分子化合物や新規標的遺伝子を網羅的に探索する。これらの技術は、化合物スクリーニングから標的同定、さらに作用機序解明に至るまで段階的に対応でき、ミトコンドリア翻訳に介入する候補リード化合物を効率的に取得することを可能にする。これにより、根本的治療法の存在しないMELASやリー症候群といった希少ミトコンドリア病に新たな治療選択肢を提示し、さらにはサルコペニアや加齢黄斑変性症など加齢関連疾患にも適応を広げ、革新的治療薬の創出を目指す。

ビジネスモデル(申請時)

本事業のビジネスモデルは、自社創薬パイプラインによる新薬開発と、創薬プラットフォームを活用した共同研究・ライセンス供与を組み合わせたハイブリッド型とする。これにより、基盤技術の収益化とパイプライン開発の双方を実現し、持続可能かつ多様な出口戦略を可能とする。

活動計画(申請時)

・創薬プラットフォームの先鋭化と候補化合物探索
Mito-FUNCAT、HT-Thor-Ribo-Seq、MitoIP-Thor-Ribo-Seq等の技術を統合し、大規模化合物ライブラリーによるスクリーニングを実施する。さらにCRISPRスクリーニングを併用して標的遺伝子を同定し、候補リード化合物を取得する。
・疾患モデルを用いたPOC確立と作用機序解明
MELASやリー症候群など患者由来細胞におけるin vitro POC、マウスモデルでのin vivo POM/POPを確立する。加えて、MERRF等の別疾患モデルも活用し、標的分子の特定や作用機序を解明する。
・知財確保と事業化準備
取得データに基づき1stパイプラインの知財出願を行い、導出に向けた権利化を進める。同時に市場調査を通じて出口疾患を選定し、事業計画・資金調達計画を精緻化するとともに、事業化経験を有する経営人材を参画させ、2028年のスタートアップ設立を目指す。

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