
ジャフコ グループ株式会社

軽量かつ強固な素材である炭素繊維強化樹脂(CFRP)は世界規模で市場が増大している一方、廃CFRPも増加している。製造におけるエネルギー負荷が大きく高価な炭素繊維を廃CFRPから高強度で回収する技術開発が望まれている。従来の方法では、回収した炭素繊維が劣化し不均一な性質であること、そのため利用用途が限られることや樹脂は利用されず廃ガスや廃液として処理されること、など課題があり普及にはいたっていなかった。本技術では、溶融水酸化アルカリ溶媒の調製技術を活用して、CFRPの樹脂のみを選択的に溶解する溶媒を開発し、高強度の炭素繊維の回収、溶解した樹脂のガス化利用、溶媒の繰り返し利用、が可能なゼロエミッションの炭素繊維回収システムの開発を目指す。
CFRP廃棄物を顧客工場内で処理する「オンサイト・サプライヤー」モデルを採用し、溶融塩による化学分解で長繊維・高強度のrCFを回収・再販売する。廃棄物処理料を受領しつつ、再生炭素繊維の販売収益を得るダブルインカム型とすることで、原料仕入コストや物流費を抑えた高収益・ゼロエミッション型リサイクル事業を実現する。
本課題では、溶融水酸化アルカリ溶媒を用いた炭素繊維回収技術の事業化を目指し、2年間でパイロットスケール実証を行う。1年度目は大型装置による航空機端材処理を通じて性能・耐久性・反応持続性等の課題を抽出し、回収炭素繊維の品質評価およびコスト試算、顧客ヒアリングを実施する。2年度目は抽出課題を踏まえた装置・プロセス改良を行い、再度実証運転と精緻なコスト評価を行うとともに、顧客候補1社とのMOU締結交渉を進め、CEO候補および製造コア人材を確保し事業化体制を構築する。