起業家支援プログラム(エクスプロールコース)

泊 幸秀
研究代表者
東京大学

泊 幸秀

Tomari Yukihide
採択テーマ

ヒト天然由来の安定化剤「Hero タンパク質」を用いた革新的な生体材料保存法の開発

課題名
ヒト天然由来の安定化剤「Hero タンパク質」を用いた革新的な生体材料保存法の開発
プロジェクトの概要
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近年、医薬品のモダリティが多様化し、タンパク質製剤、ワクチン、遺伝子治療、細胞治療が次々に実用化されている。これらのモダリティは長期保管や輸送時の安定性が特に重要である。また、輸血や臓器治療・移植などの既存治療も同様に保管における安定性課題を抱えており、その結果として治療機会を逸する患者が存在するという重大な社会課題が残されている。
「Hero タンパク質」は我々の生体に備わっている種々のストレスからの保護システムであり、本申請者らによって発見された新規タンパク質群である。これまでに、Hero タンパク質が熱や凍結など種々のストレスから、共存するクライアントタンパク質を保護できることを明らかにしてきた。本申請では、「Hero タンパク質」を活用することで、バイオ医薬・医療分野においてあらゆる製剤の安定性課題を解決するスタートアップを設立することを目指す。

ビジネスモデル(申請時)

モダリティと必要なストレス耐性に合わせて、最適な Hero タンパク質をテイラーメイドで創出する技術を基盤とする。顧客のモダリティが有する安定化課題に対して最適な Hero タンパク質を選定し、提供するプラットフォーム事業を提供する。

活動計画(申請時)

研究開発活動としては以下を予定している。
①Hero タンパク質ライブラリの構築:
多様性の高い Hero タンパク質ライブラリおよび、細胞内で Hero タンパク質を発現できるウイルスプールライブラリの構築を行う。これにより、最適な Hero タンパク質のスクリーニングを行う独自のプラットフォーム技術基盤を確立する。
②アプリケーション実証:
種々のバイオ医薬モダリティおよびストレスに対する、Hero タンパク質の安定化効果を確認する。PoC の獲得を通じて、事業展開可能性および妥当性についての評価を行う。
③安定化機能のメカニズム解明:
各モダリティに対する安定性評価に加え、各種物理化学的・生化学的アプローチ、in silico解析、機械学習を組み合わせた独自の解析手法により、Hero タンパク質配列と機能の相関および、メカニズムの解明を行う。

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