細胞外マトリクス(ECM)は多数の構成因子から成る細胞の周囲に存在する組織間物質であり、正常な組織の維持のほか、様々な疾患においてECMのリモデリングが重要な役割を果たすことが知られている。本課題では東京工業大学と昭和大学との共同シーズであるECM制御分子(仮称:Factor-X)を標的とする核酸医薬を、ECMリモデリングが関与する複数の疾患治療薬として開発し、現在有効な治療法のない疾患に苦しむ患者さんのQOLの向上に資する事業化プロジェクトを、医学・工学・ビジネス3つのエキスパート相互の緊密な連携により達成する。
Factor-X(仮称)を標的とする細胞外マトリクス制御による医薬品開発を目的とし、複数疾患に対する創薬パイプラインを臨床試験2相試験前後まで担うバイオベンチャーを目指す。
・リード化合物である核酸医薬(特許技術)の各疾患関連細胞におけるFactor-X制御効果の確認
・リード化合物の各疾患モデル細胞・モデル動物における治療効果の確認
・リード化合物の化学修飾による各疾患に対する効果の改良と副作用の低減
・実験結果のフィードバックによる化学構造の最適化
・投与法、デリバリーとの組み合わせ最適化による薬効・安全性の最適化
・非臨床試験・臨床試験に向けた開発計画の検討
・資金調達・国際展開を目指した事業化計画の検討