
東京大学協創プラットフォーム開発株式会社

世界では年間約4.3億トンのプラスチックが生産される一方、その多くがリサイクルされず環境中に流出し、マイクロプラスチックなど深刻な問題を引き起こしている。こうした状況を背景に、消費者や投資家からの環境配慮への要請の高まりや各国での規制強化を受け、グローバル企業にとって持続可能な代替素材への転換は喫緊の経営課題となっている。
本プロジェクトでは、「実用的な物性」「生分解性」「完全リサイクル性」を兼ね備えた革新的新素材「超分子プラスチック」の社会実装を目指す。超分子プラスチックは塩の添加により生分解性の原料モノマーへ速やかに完全解離し、環境中に流出してもマイクロプラスチックを一切生まない。また、原料モノマーを回収して再合成することで、バージン品質で何度でもリサイクルすることが可能である。持続可能なプラスチック社会の実現に貢献するスタートアップ創出に向け、技術基盤と事業化基盤の構築を進める。
本事業では、素材選定に大きな影響力を持つブランドオーナー企業との連携を起点に、超分子プラスチックの市場導入を進める。実証プロジェクトなどを通じて用途適合性や量産可能性を検証しながら、素材メーカーや加工メーカーを含むバリューチェーンのパートナーと協働し、社会実装を加速する。
GTIE Gapファンド期間では、超分子プラスチックの社会実装に向け、研究開発と事業開発を並行して推進する。研究開発面では、物性や加工性の最適化を通じて実用用途に適した材料設計を進めるとともに、製造プロセスの検討やリサイクル技術の実証など、実用化に向けた基盤技術の確立を目指す。事業開発面では、国内外の企業との連携を通じて用途適合性の検証を進め、サプライチェーンを構成するパートナーとの協働可能性を検討する。これらの取り組みにより、技術・事業両面のリスクを段階的に低減し、Gapファンド終了後のスタートアップ設立を目指す。